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2009年6月14日 (日曜日)

マネー資本主義

 という番組をNHKでやってました。今日で三回目。でもねぇ~結構な事実誤認があるんですよ、これが。ということで、たまにはカタイ話もやらないと、おちゃらけてるだけの人だと思われてもいけないので(笑)。アドバイザー的な人が番組にはいるんでしょうが、世界中がもう2年くらいタイヘンな思いをしている根源の問題をきっちり把握されてない「専門外の専門家」がまだいらっしゃるとは驚きです。

 もう皆さんにもお馴染みの「サブプライム問題」というのは、要するに住宅ローンなんか借りちゃあいけない人に、最初金利払わなくていいですからとか、住宅価格が上がれば乗り換えればOKですからとか言って、無理やり借りさせたのが原因です。でも銀行がそんなことやってたら、焦げ付いたらど~すんだよ~ということになるんですが、「証券化」という手法を使って、沢山の人のローンをまとめて証券化して、更に分解して再証券化商品なんていうものを作ったのでした。最初に焦げ付くとやられる部分(エクイティといいます)、次にくる部分(メザニン)、そして余程の焦げ付きが出ないと計算上は被害に遭うはずもない部分(シニア、その中でも更にいいのがスーパー・シニア)に切り分けて世界中にばら撒いていたので、銀行やノンバンクはローンをかき集めて投資銀行に売っちゃえばあとは知ったこっちゃないで済んだ・・・ワケです。

 それで、07年には住宅価格が下落に転じ(06年終わりごろかも)、4月にサブプライム専業大手が破綻し、俄然サブプライムが話題となり、当然番組でやっていた社内でヤバイ部分を沢山持たされていたベアのヘッジファンドも破綻し、いよいよヤバイということになってゆきます。ただその後、番組でやっていたBNPパリバの部分はちょっと違うんですよね(同じ様に破綻と言っていましたけど)。これは「パリバ・ショック」と呼ばれ、株価が急落したりした大事件だったんですが、別に破綻したからではありません(パリバさんに怒られますよ)。ミューチュアル・ファンドというまあ法人向けの投信のようなものにサブプライム関連の証券化商品を組み込んでいたのですが、解約しようにも、「いや出来ません、ちょっと待ってください」と言ってしまったので大騒ぎとなったのです。その理由は、証券化商品の「値段が判らない」、つまり時価がいくらか見当がつかないためで、ちょっと待ってということになったのです。

 なぜショックだったか。それは、証券化商品たって別にシニアの「AAA」の部分持ってるだけなら大丈夫でしょとタカをくくっていた人たちに、「え?値段がわからないの?どういうこと?」と極度の不安を与えてしまったからです(あとは米国だけじゃなく欧州でも同じことがという驚きもありましたけど)。ということは、そういう商品を沢山持っている人はそれを売ろうにも売れない、つまり手元のカネに困る状況に陥る「流動性の危機」に陥るワケです。余裕資金で損してる人は別に困ったなあで済むワケですが、お金を借りて買っている人はタイヘンなことになるワケです。そう、手元資金の何倍ものお金を借り入れて投資をする、これを「レバレッジ」というんですが、ヘッジファンドもこういうことをやっていて、投資家から預けたカネ返せ!と言われても、持っているのは売るに売れない、そう値段がどこにあるか判らない商品だらけなんですから、バナナの叩き売り状態になっちゃうワケで・・・。更には借り手いたカネというのは、レポ取引という国債とかRMBSとかの債券を質草にして短期的に借りていたんですが、これはある種の相対取引による信用貸しなんで、質草が幾ら良くても信用されない相手と見られれば、もう応じてもらえません。

 ついでに、昨年のリーマン・ショックの影響は、これが証券化商品のみならず、株とか国債とかの流動性のある投資商品以外のほとんどの商品のマーケットがなくなってしまったからタイヘンだったワケです。ここにきてようやく、そこそこの商品には、それなりに価格がつくようになりましたが・・・。一応その筋のプロとして言わせていただければ、彼の国の方々はサブプライム以前の状況に戻るという幻想を抱いてるように見えて仕方がなくて・・・成功体験というんでしょうかねぇ。もうあんなアホみたいにカネ儲けが出来る商売なんて成り立たないという現実から再スタートする、つまり世の中は変わっちゃったんだよということを理解してから前へ進まないと、ヘタするとおクニがやばいんじゃないかと心配をしている今日この頃。

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