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2008年11月15日 (土曜日)

最後のニュース

 「ただあなたにGood-Bye」でも書きましたが、あの番組で歌った陽水氏の「最後のニュース」は色んな意味で鳥肌ものでした。この曲は、筑紫さんがNEWS23のキャスターをやることになった時、「僕がこの番組をやるのは陽水の責任だから、曲を書く義務がある」(『媚売る作家/井上陽水著』より引用。以下同じ)ということで、オープニングとエンディングを依頼され、後者が「最後のニュース」だったワケです。その「義務」の由来は、その数年前に陽水氏の十周年パーティの席上で、陽水氏が「こちらデスク」を止めて人前に出なくなった筑紫さんに「また何かやって下さいよ」と言ったにあるらしい(笑)。

 「最後のニュース」は、陽水流のそれまでの大きなニュースを「詞の畳み込み」の形で、それも全て疑問形で(誰を忘れ去ったの?など)書かれていることに特徴があると思っています。この陽水流の斜めに見る視点というか、ニュースは事実だけをただ伝えているけど、その先のことに何か答えになるものを提示できているの?という視線がワタシにはとでも斬新なワケです。その意味でワタシは、今のニュース番組や新聞も含めたマスコミは、この曲が書かれた1990年以降同じように、事実を伝え(最近じゃぁ事実じゃないことも平気で伝えますが)残念ですねとか言ったりするだけで、でそれで?ということには、実は何もそれに答えていないんじゃないかと。

 この番組で歌われた「最後のニュース」には歌詞がテロップで流されていて、お気づきの方もいらっしゃったと思いますが、一部原曲の歌詞から変わっています。それは、「地球上のサンソ、チッソ、フロンガスは森の花の園にどんな風を送っているの」という部分の「フロンガス」が「二酸化炭素」になっているところです。陽水氏はライブでもこの曲を良く歌われますが、ここしばらくは「二酸化炭素」とか「CO2」などと詞を変えて歌われています。「フロンガス」のモンダイはなんとか解決の方向に向かった(ホントにそうか知りませんが)けど、北極の氷が溶ける映像を見せられて、やはり今はCO2だろうということなのでしょう。

 さて、詞の最後の「今あなたにGood-Night ただあなたにGood-Bye」という部分。陽水氏は、「ニュースを畳み込むだけじゃまずいなぁ、最後の「決め」というのをちゃんと時間をかけて書かないとって思いながらも、とりあえず書いておこうと思って」書かれたようですが、「このままじゃ駄目だろうと思いながら、そのままになっちゃった」というのがその時の状況だったようです。まあコアな陽水ファンの方なら、「よくあること」だと思われるのでしょう。ただ、そういう「なんとなく」に数多くの解釈が生まれて、それこそ「陽水ワールド」の真髄・・・だなんてワタシは思ったりしてるワケですが、まさしくNEWS23のエンディングテーマという意味を越えて、今回の筑紫さんの「葬送曲」としても心に響く曲となったりするのです。

 「最後のニュース」の最後のニュースにはこんな詞があります。「世界中の国の人と愛と金が入り乱れていつか混ざり合えるの」・・・。これは当時陽水氏は株式市場なんかをイメージして書かれたようですが、この今世紀最大の金融危機と言われている現在にこそ、ものすごい意味があり、世界中の人に、特に今サミットで集まっている首脳の方々には聞いて欲しいですね。ワタシは前のもこのブログで言いましたが、自分だけよければイイという時代はもう終わり、表面上だけでなく本当の意味で世界中が協力し合って生きてゆくしかない時代になったんだと考えています。その気持ちにフィットする陽水氏の18年前の歌詞・・・なんか預言者なのかなぁ・・・なんて思ったりするワケです。

 

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