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2005年11月 5日 (土曜日)

空想ハイウエイ ACT Ⅳ

昨夜、NHK BS2で放送の井上陽水「空想ハイウェイⅣ」を観た。待ちに待ったという表現が相応しい「空想ハイウェイ」の最終章。今回は「陽水氏のボーカルV.S.名立たるインストゥルメンタリスト5人」という構成。プレーヤーの名前は知っていても、ライブを観たこともCDを聴いたことさえないプレーヤー達だけに興味深く、あっという間の1時間半だった。

氏のボーカルと真っ向勝負を挑むプレーヤーがいれば、氏のボーカルを引き立てることに情熱を傾けるプレーヤーもいるが、うっとりしてしまう程のテクニックとハートを持ち合わせているのには驚かされる。どこか韓流スターの様なルックスを持ちながら、チューニングも含めて自由奔放なプレースタイルなギタリスト押尾コータロー氏。ウクレレの枠を抜け出し、まるで津軽三味線のようなスピード感で疾走するウクレレ・プレーヤー・ジェイク島袋氏。大御所の懐の深さと、いつまでも自由に拘り続けるプレーがオーラを放つジャズ・ピアニスト山下洋輔氏。そしてお父さん譲りの風貌と繊細さと音楽的才能を奥ゆかしくも発揮したスティールギタリスト高田漣氏。最後に破綻なきテクニックと、その裏にオブラートに包んだようなハートがじんわり染み出してくるかのようなサックス・プレーヤー菊池成孔氏。そして、それぞれの「プロ」のテクニックを少しづつ伝授され、なんとも不器用な風情を醸し出すも、一声だけで周りが納得してしまうボーカリスト井上陽水氏。

それぞれ2曲づつ全10曲のセッション。バックバンドもなく、それぞれ2人だけの誤魔化しの効かないセッションだったが、どちらが臆するでもなく、それぞれの「プロ」としてのプライドがぶつかり合い、思わぬけケミストリーを生み出す。その典型的な例が山下洋輔氏との「少年時代」。オリジナルとは全く趣きの違った山下氏のアレンジとピアノに、陽水氏のボーカルもオリジナルとは全く違ったスタイルで応える。また別の機会でもっと聴いてみたいと思わせてくれる。

トークは、それぞれの楽器との出会い、両親からの影響等々が中心。高田漣氏とのトークでは、高田渡氏のエピソードに微笑みながら、セッションした「夢の中へ」が陽水氏のお父様のお葬式の夜に出来たこと、高田氏もお父様の危篤の報にも仕事で博多にいたこと・・・サングラスの奥の陽水氏とメガネの奥の高田漣氏の瞳が心なしか潤んでいたように見えたのが印象的。他のアーチストも皆、何らかの影響を父親から受けているという。そういう何らかの「見えざる手」が彼らの「今」を作っているのかも知れない。

美しい映像、音声、日銀本館のスペースを借り切ってロケを行う贅沢さ。さすがと言わざるを得ないだろう。1時間半CMもなくタップリと堪能できたNHKのスタッフの皆さんに感謝したい。これから陽水氏は年末にかけ、ブルーノート等、大都市でキャパの思いっきり少ない場所でライブを数本行う。それでは行けない人も多いだろう。私も完全に諦めた。だからということでもないが、今回何かの「ご縁」でということで、丁度スカパーで今日の夕方から生放送されていた押尾コータロー氏のライブを観させて頂いた。そこで判ったことは、「空想ハイウェイ」を観て驚いた氏のテクニックや音楽性、ハートの凄さはほんの一部だけでしかなかったこということだ。それだけでも「空想ハイウェイ」を観た甲斐があったと言えるのかも知れない。

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コメント

deraさん、いつぞやは大変お世話になりました。もうすぐ恵比寿でホントに楽しみにしています。会場でお目にかかりましょう。ちょっと風邪気味でそれが不安と言えば不安で(笑)。

投稿: HIRO@YOKOHAMA | 2005年11月14日 (月曜日) 23:10

こちらでは、はじめまして。

HIROさん、時々、HIROさんのサイト拝読させて頂いてます。
情報に疎い私にとっての、情報源でもあります。(感謝)

我家は、BSを観ることが出来ないものですから、各サイトで皆様の感想で想像を膨らませ楽しんでおりました。

が、ある陽水さんファンからDVDを送って頂き、今日の午後から3回観ました。
共演されたインストゥルメンタリストの方々それぞれから、深い感動をいただき、音楽の奥の深さをしみじみ感じた休日となりました。

ところで、HIROさん、17日の招待状が届いてよかったですね~。
私も、12月の恵比寿は完敗でしたが、予期せぬ招待状に嬉しさあまって気がふれそうでしたよ~。

17日、恵比寿でお見かけしましたら(はたしてHIROさんが分かるかしら?)ご挨拶だけでもさせてくださいませ。

投稿: dera | 2005年11月13日 (日曜日) 23:54

LAGOONさん、お久しぶりです。回を重ねる毎に内容が濃くなっていった「空想ハイウェイ」でした。いろんなブログでもかなり反応があったようですし、好評につき「V」もなんてことにならないかと期待しています。

昨夜、菊池氏が「英語でしゃべらnight」に出演されてて、いいキャラされてる上に、発想が豊か!管理人にような歳になると、なにかの「ご縁」がないと新たなアーティストに巡り合う可能性も少なくなる一方ですから、陽水氏の「お主ヤルナ」的なゲスト選定力には感謝してます。

投稿: HIRO@YOKOHAMA | 2005年11月 8日 (火曜日) 21:37

よかったですね、アクト4。押尾コータローさんの名前は最近よく耳にしたり、
目にしたりの方だったので、楽しみにしていたアーチストのひとりでした。
あのサウンドを聴いて、個人的に好きなギターリストだと確信しました。
山下洋輔氏とのコラボは、ある意味では予想どおりの化学反応でしたよ。(笑)
贅沢を言わせてもらえれば、「少年時代」「最後のニュース」ともうひとつ、
意外な曲を「料理」してほしかったかな。
菊池氏はこの番組ではじめて知った方なんですが、いかにも多芸多才そうな方で
ビックリ。でも、「背中まで45分」のアレンジは、原曲のイメージに沿ったあれ
で正解だと思う。変に奇をてらったアレンジにしない彼の感性にやはり才能を感
じました。

ところで、陽水はゲストに母親や父親の影響を尋ねることが多くありませんか?
前回・今回のトークの主旨なのかもしれませんが。

アクト5やってほしいですね。

投稿: LAGOON | 2005年11月 8日 (火曜日) 16:18

Coojaさん、はじめまして。
確かに凄いメンツです。私もこの番組で気になった押尾コータローさんのライブが丁度TVで生放送されるというので観たクチです。彼が一人でステージを演っているとは驚きました。てっきりバンドをバックにと思っていたので・・・。アンコールでon ベース 押尾コータロー、on エレキギター 押尾コータローとアコギ一本で演っていたのには口があんぐり(笑)でした。そういう凄い才能の人を惹き付ける何かがあるんだよね陽水は・・・っていうのが陽水ファンの心理なんですが(笑)
12月3日にはBShiで再放送がありますし、地上波でもそのうち放送されるような気はしてますが・・・

投稿: HIRO@YOKOHAMA | 2005年11月 6日 (日曜日) 21:54

はじめまして、Coojaと言います。
そんな凄いセッションがあったんですか!?
メンツ見ただけでも、すさまじいですねぇ。
個人的に押尾コータローや洋輔さんのファンでもあるので、話聞くだけでもヨダレもんです。
BSかぁ~、いいなぁ。

投稿: Cooja | 2005年11月 6日 (日曜日) 19:55

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